インドの動物型真鍮錠前
関西に住んでいた時、阪神競馬場で開催された蚤の市で出会ったインドの動物型真鍮錠前。何とも言えない表情とかたちに一目惚れをしました。動物のかたちでお腹のところから何かが飛び出しているし、後頭部から尻尾にかけて繋がっているしで最初はこれが何なのかわからなかったです。錠前という事を聞き、お腹のところの棒を押し込むと首から尻尾にかけてアーチ状に繋がっている鍵の部分が取り外せるようになっています。手に取るとずっしりと重さがあります。
購入してからじっくり見てみると、ぽってりとした丸みに生命を感じる造形と、右脚に重心が乗っていて左の後ろ脚が少し浮いていたり、少しO脚気味だったりで後ろ姿がとてもかわいく、尻尾が鍵になっているところも面白く、犬なのか?それとも別の動物なのか?というぐらいの曖昧さも興味がわきました。表情もどうしたの?というくらいにおとぼけな表情なのもかわいいです。
調べてみるとこの錠前はインドのラジャスタン、グジャラート(インド北西部)を中心に作られていて、犬、馬、象、孔雀など多様な動物モチーフの錠前を作る伝統工芸品です。動物型で作られたのはヒンドゥー教(動物は神々の乗り物だったりします)・仏教(前世の物語では釈迦は動物として生まれた姿だったりします)の神聖な存在を取り入れることで錠前そのものに「守護力」を高めることが意図されていたそうです。
動物型真鍮錠前は英領インド時代(19〜20世紀初頭)に民間需要のピークがあったとされます。現代でもお土産品、工芸品として複製が作られています。これが英領インド時代に作られたものかはわかりませんが、こんなにかわいい錠前が扉だったり、何かに付いていた事を想像するとクスッと笑っちゃいます。




